ミオスタチン抑制がもたらす筋肥大の可能性

かつてヒトは飢餓との戦いの中で日々の生活を営んでいました。

生命維持のための十分なカロリー摂取すら難しい時代においては、それに見合った代謝量の身体を持つことが種の繁栄のためには有利でした。

このようなことから筋肥大を抑制するミオスタチンというホルモンは実に理にかなったものであることがわかります。

しかし、ミオスタチンを作り出す遺伝子そのものが異常をきたし、筋肥大の抑制が正常に行われなくなることがあります。

これが、ミオスタチン関連筋肥大です。

ミオスタチン関連筋肥大では、通常では考えられない勢いで筋肥大が起こります。

一方、今日ではDNA操作によりミオスタチンをコントロールすることで、筋肥大を人為的に引きおこすこともなされているようです。

今回は、筋肥大にとても関わりのあるミオスタチンというホルモンについて取り上げます。

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実例ミオスタチン関連筋肥大

ここでは、ミオスタチン関連筋肥大と品種改良におけるミオスタチンの役割についてまとめます。

品種改良により造られたベルジアンブルーとミオスタチン関連筋肥大

ベルジアンブルー(ベルギーの牛)と呼ばれるその食肉牛は19世紀に数十年の後輩による品種改良の結果として誕生しました。

そして、ベルジアンブルーの誕生はのちにミオスタチン関連筋肥大発見の引き金になります。

ミオスタチン関連筋肉肥大の存在が科学的に報告されたのは、1990年代後半のことです。

1997年、ボルティモアのジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちがベルギーブルー種の蓄牛の遺伝子を調べたところ、ミオスタチンを生成する遺伝子に変異があることが判明しました。

その後のマウスを使った実験でも、ミオスタチン遺伝子の非活性化と筋量の増加との関係が明らかになりました。

そして2000年に、通常児の2倍の筋肉を持つ赤ちゃんがドイツで見つかり、2004年ミオスタチン関連筋肥大のヒトにおける最初の事例が医学文献として報告されました。

これがヒトにおけるミオスタチン関連筋肥大の最初の存在確認です。

その後、ジョンズ・ホプキンス大学の調査研究により、ミオスタチン関連筋肉肥大を有する人が世界各国で100人ほど見つかっているそうです。

現在、ミオスタチン関連筋肥大には遺伝変異によりミオスタチンが体内で生成されないタイプと、筋細胞がミオスタチンを受容しないタイプの2つがあるとされています。
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リアム・フックストラちゃん(米国)の場合


リアム・フックストラちゃんはミオスタチン関連筋肥大という体質をもって生まれました。

リアムちゃんの場合は、体内でのミオスタチン生成はなされるものの筋細胞がそれを受容しないことで筋肥大が生じるというタイプでした。

4週間の早産で生まれたリアムちゃんの心臓には小さな穴があり腎臓は腫大を起こしていました。

さらにアトピー、乳糖不耐症、胃食道逆流症という症状も抱えていました。

しかし、心臓と腎臓の問題は生後数ヶ月で自然治癒により解決、もっとも厄介な問題とされた胃食道逆流症も1歳半頃には収まったといいます。

それどころか、リアムちゃんの筋量は通常の幼児の1.5倍近くあり、生後2日目には体を支えると両足で立つことができました。

また、生後5ヶ月には、両腕を持つと十字懸垂のような姿勢を取るようになり、さらに生後8ヶ月には棒にぶら下がり懸垂ができるようになります。

このように常軌を逸した怪童ぶりを発揮したリアムちゃんでしたが、よいことばかりではありませんでした。

ミオスタチン関連筋肥大のため、体脂肪は著しく減少し、基礎代謝量は非常に多くなります。

体脂肪の減少は脳や中枢神経の発達に欠かせない脂質不足を招きます。

また、代謝量の増大に見合うだけのカロリーを食事で補わなければなりません。

そのため、リアムちゃんは1日6回食事をとっていたといいます。

ミオスタチン関連筋肥大という体質をもって生まれた場合、周りがその体質を理解し健康に育つためのサポートが不可欠になります。

リアムちゃんの場合、かかりつけ医が「異常」に気づき両親にDNA検査をすすめたことによりミオスタチン関連筋肥大であることがあきらかになります。

そのことにより、必要に応じ点滴などで栄養分の補給が行えことも幸いしました。

ミオスタチンコントロールによる筋肥大

ミオスタチン関連筋肥大は21世紀になってその存在が明らかになりました。

現在では、ミオスタチン関連筋肥大の骨粗鬆症や筋ジストロフィーへの応用が研究されているようです。

また、ミオスタチンを利用した新たなドーピングも出てきそうです。

ミオスタチン関連の筋肥大サプリメント

高強度の筋トレやクレアチンの摂取など筋肥大に有効であるとされていることが、実はミオスタチンを抑制していることが確認されています。

つまり、筋肥大とミオスタチン抑制は切っても切れない非常に強い関係があります。

現在、ミオスタチンを抑制する物質として有精卵の黄身に多く含まれるフォリスタチンが知られています。

市場にはフォリスタチンを主成分としたミオスタチン関連の筋肥大サプリメントもすでに出回っているようです。

わたしはまだ使用したことはありませんが、MYO-Xというサプリをインターネットで見つけることができます。

MYO-Xはミオスタチン抑制剤として働き、筋肥大を起こしやすい体内環境を作り出してくれるでしょう。

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