マッスルメモリを理解し、時には休養に専念しよう

続けてきた筋トレを中止せざるを得ない状況はいつ起こるかわかりません。

加齢のために柔軟性が失われたせいかもしれませんし、オーバーワークが原因かもしれません。

あるいは病気や怪我ではなく、仕事の多忙さから筋トレが思うようにできないこともあるでしょう。

そんな時、マッスルメモリについての知識は、リカバリの見通しと休養(もしかすると仕事)に専念できる余裕を与えてくれます。

怪我の如何にかかわらず、定期的に休養期間を儲けることは筋肉の成長のためには+になることはあってもーになることはないでしょう。

十分な休養をとれば、トレーニング寿命(トレーニングを続けられる年齢)も伸び、より健康的で豊かな生活を送ることも夢ではありません。

それにもしかすると、休養期間の後に扱う重量を増すことができるかもしれませんね。

マッスルメモリとは何か


石井直方(1955 – ) 東京大学スポーツ先端科学研究拠点長

マッスルメモリとは筋トレをして身につけた筋力と筋量は、例え筋トレを中断してそれを失うことがあっても、比較的容易にとり戻すことができるというものです。

数ヶ月から十数年中断したとしても、マッスルメモリによって数ヶ月程度のトレーニングで筋力と筋量はとり戻せるということは、2001年7月に日本ボディビルクラス別選手権(85 kg級)15年ぶりの大会復帰を果たした石井直方氏が身を以て証明しています。

このことにより、私たちはおおらかな気持ちで休養に専念することができます。
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マッスルメモリの仕組み

多核体

多核体(たかくたい)は、合胞体(ごうほうたい)、シンシチウム(syncytium)、coenocyte、apocyte、polykaryocyteとも呼ばれ、1個の細胞に核がたくさんある細胞のことで、核が1個ある通常の細胞が細胞融合して形成されたものや、細胞質分裂を行わずに核分裂のみが進行した細胞。

骨格筋の筋肉の長軸方向に伸びる非常に大型の細胞で、1個の細胞を筋線維とも呼ぶ。この細胞は、筋肉の分化過程で多数の筋芽細胞が細胞融合してできる。長い筋肉の端から端まで強い力を出すために、細胞内に規則正しく配列した筋原繊維(アクチンとミオシン)によって発生した張力を効率的に筋肉全体の力とするために役立っていると考えられている。

細胞核 – Wikipedia

筋繊維はそれ自体が大変大きな1つの細胞からできてます。

そして、筋繊維を作っている細胞は複数の核(筋核)を有する多核細胞です。

その核を供給しているのが筋繊維の周りに存在している筋芽細胞でサテライト細胞とも呼ばれています。

2010年代になって”nuclear domain” (核の支配領域)と呼ばれる考え方が出てきました。

これは、一つの核が支配できる細胞の体積には上限があるという考え方です。

そして、過負荷による筋肥大の際にはサテライト細胞の分裂・増殖しと筋繊維への融合が起きていることが確認されています。

つまり、核の支配領域の上限から筋肥大に伴い核数が増えているわけです。

マッスルメモリには、現在2つの仮説があるそうです。

一つが、筋肉がトレーニングの中断により萎縮しても筋繊維の数の変化は起きない。

したがって、再開すれば容易にもとのサイズに戻るというものです。

そして、もう一つがトレーニングを中断しても核数は変わらず、トレーニングを再開した時には、核数の増える過程が不必要になるので、短期間でもとのサイズまで回復するというものです。

参考 石井直方 健康とトレーニング

まとめ

マッスルメモリという現象は、確かに存在します。

積み重ねてきた努力は、トレーニングの中断によりたとえ萎縮したとしても、筋繊維の数、あるいは核数の数は普遍なのです。

このことにより、怪我や病気によりトレーニングができないとしても、何も恐れずに休養に専念することができます。

もちろん、Aステロイドの力を借りて身につけた筋肉であっても、話は同じです。

あとはより効果的な休養〜再開の方法を選択すれば良いだけです。

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