DHT誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドの嘘・ホント


現在、いくつかの種類のアナボリックステロイドが、個人輸入という形で入手可能です。

アナボリックステロイドは短期間での筋肉増強を目的として作られた薬で、テストステロンが発見された1935年以降開発が進められ、1950年代にテストステロンの類似物質として完成されます。

テストステロンをはじめとしたアンドロゲン(男性ホルモンの総称)はタンパク同化作用を持ち、その性質を筋肉増強に利用したのがアナボリックステロイドです。

多くのアナボリックステロイドはテストステロンそのものではなく、体内でテストステロンに変換されるよう作られています。(このようにテストステロン誘導体を有効成分とするものをT型アナボリックステロイドと呼ぶことにします。)

中には、テストステロンではなく、より強力な活性型男性ホルモンといわれるジヒドロテストステロン(DHT)濃度を高めることを目的として作られたアナボリックステロイドもあります。(このようにDHT誘導体を有効成分とするものをDHT型アナボリックステロイドと呼ぶことにします。)

アナボリックステロイドを使用するに当たって、誘導体という観点から特性を理解することは非常に大事なことだと考えています。

例えば、危険すぎるあまり私は採用しないのですが、「スタック」という使用方法があります。

「スタック」という使用方法は2つ以上のアナボリックステロイドを組み合わせて使用するやり方なのですが、この方法では同じタイプのアナボリックステロイドを組み合わせることはしません。

「スタック」するときは、必ずタイプの違うT型とDHT型の組み合わせで行われます。

このように、この2つの特性を理解するのは基本的であり、とても重要なことだとわたしは考えています。

ここでは、テストステロン誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドとDHT誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドについて、それぞれの特性を踏まえながら、使用時の注意事項や現時点での疑問をまとめてみました。

DHTとは

DHTは活性型テストステロンとも言われ、5αリダクターゼという酵素テストステロンからつくられるアンドロゲンです。

何らかの原因でテストステロンの分泌量が減りホルモンバランスが崩れた時に、より強力なアンドロゲンが一部のテストステロンから作られるというわけです。

例えば、30歳を過ぎるとテストステロンの分泌量は減少しますが、それを補うかのようにDHTは増加します。

個人差がありますが、脱毛が始まるのが30歳を過ぎてからなのはそのことが原因だといえます。

また、疲れやストレス下ではテストステロンの分泌量が減少しますが、このような状況下ではそれを補うようにDHTは増加します。

活性型テストステロンともいわれるDHTは強力な作用を持ちますが、同時にDHTが皮脂腺や毛乳頭に作用すると、薄毛や脱毛の原因になることが知られています。

これが男性型脱毛症(AGA)です。

なお、男女に関係なくDHTは9割以上の脱毛症の原因物質になっているといわれています。

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DHT型アナボリックステロイドについて

DHT型アナボリックステロイドといえばオキシポロンが有名です。

オキシポロンはオキシメトロンを有効成分とするアナボリックステロイドで、「最強のアナボリックステロイド」とも言われています。

有効成分であるオキシメトロンはDHT誘導体で、体内でDHTに変換されます。

DHT誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドではオキシポロン(オキシメトロン)の他に、ウィンゾロン(スタノゾロール)、アナドリン(オキサンドロロン)、プリモノロン(メテノロン)、プロビロン(メステロロン)といったアナボリックステロイドが入手可能になっています。

これらはいずれも個人輸入代行業者を通じて入手可能です。

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DHT型アナボリックステロイド使用時の注意事項

DHT誘導体から作られるDHTは活性型テストステロンともいわれ、テストステロンよりはるかに強力です。

DHT型アナボリックステロイドはタンパク同化作用も強くなりますが、DHTには無視できない欠点もあります。

それが前立腺肥大、男性型脱毛症そして女性化乳房に関することです。

前立腺肥大の危険性に触れていないことの疑問

DHTは前立腺肥大の原因物質です。

DHTは男性器の育成、発達に関わる重要なホルモンです。

しかし、前立腺の組織細胞を増殖させるのもDHTです。

前立腺肥大症の50歳以上の男性の罹患率が高くなるのは、テストステロン濃度の低下とそれに伴うDHT濃度の上昇が関係しているのかもしれません。

いずれにせよ、DHT型のアナボリックステロイドではDHTの影響を受ける前立腺肥大症の危険性も高くなるはずです。

ところが、副作用の項に前立腺肥大の文字は見当たりません。

一体、これはどういうことでしょうか?

男性型脱毛症に関するウソ

DHT誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドでは、当然のことですが、男性型脱毛症(AGA)発症の危険性が高まります。

なぜなら、DHTはAGAの原因物質だからです。

多くの人は「それだったら、AGAに対するケア剤を使用すれば」・・・と考えることでしょう。

しかし問題なのは、AGA治療薬は5αリクターゼ阻害薬として設計されていることです。

5αリクターゼという酵素はテストステロンをDHTへ変換する働きをもっています。

通常、AGA治療薬は酵素5αリアクターぜの働きを阻止することにより、テストステロンから変換されるDHTを減らすという考えに基づいて作られています。

したがって、DHTそのものの濃度をダイレクトに高めるDHT誘導体を使ったアナボリックステロイドでは、ケア剤としての意味を待たないということになります。

では、DHT型アナボリックステロイド使用時にAGAの兆候が現れたらどうすればよいのでしょうか?

その時は使用をやめ、オフにするしかありません。

あるいは、AGAを受け入れスキンヘッドを検討すべきではないでしょうか。

女性化乳房に関する曖昧さ

酵素アロマターゼによりアンドロゲン(男性ホルモン)からエストラジオール(女性ホルモン)が生成されることが女性化乳房発症の原因です。

したがって、女性化乳房の治療薬はアロマターゼ阻害薬となっています。

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インターネット上には、「DHT誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドは、女性化乳房発症のリスクが低い」あるいは「女性化乳房発症をおそれるなら、DHT誘導体を有効成分とするアナボリックステロイドを使用すべきだ」という記事を目にすることがあります。

しかし、本当にそうでしょうか。

確かに、ネットサーフィンで「アロマターゼはテストステロンを芳香化という代謝により女性ホルモンの一種であるエストラジオールに変換する」という記述を見つけることはできますが、「アロマターゼがDHTを変換する」という記述を見つけることはできていません。

さらに、「オキシポロンはアロマターゼの影響を受けない」という記述もありました。

しかし、女性化乳房を発症したという記述もあります。

某ショップの口コミより

極めて強い筋肉増強効果を持ち、信じられない速度で筋肉がついていきました。当然トレーニング強度を上げることと、食事量を増やすことが必要です。
ただ、使用から5週目にして女性化乳房を発症しました。サイクル中アリミデックスを服用していたのですが、無意味でした。
アナボリックステロイドの情報は、国内のサイトはほぼアテにならないと確信しました。

私は、アロマターゼはDHTに作用しないので、オキシポロンの使用は直接的に女性化乳房の原因になることはないと考えています。

しかし、そのときのホルモンバランスの状況やオキシポロン使用による肝機能の低下が女性化乳房を招くことはありうると考えています。

アナボリックステロイド使用に関するオンラインの情報(日本語)について

アナボリックステロイドの使用についてのオンライン情報は、10年前に比べるとかなり多くなりました。

しかし、その中には思わず首を傾げたくなるような内容もあります。

しかも、口コミの中に体験談としてあるくらいですから、ガセかプラセボとしか思えないものもあるので要注意です。

例えば、口コミの中には「DHT誘導体を使用したアナボリックステロイドを使用していたらAGAの傾向が現れたので、5αリクターゼ阻害薬を使用して難を逃れた」というものがそれです。

有名な無料動画サイトでも、「アナボリックステロイドを使ってみました」的なコンテンツが気軽に投稿される雰囲気があります。

「警鐘の乱打、聞ゆ」です。

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